「さらば北京」
長いようで短かった、あるいは短いようで長かった一週間。 とうとう北京を去る日がやってきました。 朝の飛行機なので早起きします。 6時半にはホテルをチェックアウト。お世話になりました。 北京市街に来た時と同様、空港にはタクシーで。しかしこんな朝早くから、タクシー が拾えるんでしょうか。 ホテルの人に電話で呼んで貰った方がいいんでは?と話しつつも、とりあえず目の前 の通りへ出てみます。 なんか余裕でタクシー捕まるんですけど(笑)。 別に、ホテルの前で客待ちしてる、とかじゃないんですよ?普通に目の前の大通りを、 空車のタクシーが通りかかるのです。 ほんと不思議なんですが、北京の街は眠らない。夜も朝も、誰かが街を歩き、車を走 らせ、店のシャッターを開けている。 「こんな朝っぱらから、普通にタクシー拾える国なんて無いよ...」 以前にも海外旅行の経験がある妹さん。 それでも北京には、特別な驚きが多かったようです。 これで空港まで行けると安心したのも束の間。 「 Airport 」 「 ?? 」 ...通じないっ?!(汗) や、私が言ったんなら発音が悪いとか考えられるんですが。 発音良い筈の妹さんが言っても通じないんですよ。 『空港』って、そんなマイナーな英単語ですか?仮にもタクシーの運転手なら、何度 もお客さんを運んでる場所と思うのですが...。 北京は英語が通じない街だと、確かに思ってました。 思ってましたが、タクシーの運転手なら『 Airport 』くらい!!(泣) 振り返れば、これまで何度かタクシーに乗った時は、ホテルのパンフレットとか見せ てたんですよね。 空港...どうすればいいんだー!! 無い知恵を絞って、『北京空港』に相当する中国の言葉を検索します。 ベイジン...ああ肝心の『空港』が分からん(死)。 と、ふと思い出して『フェイチー( 飛行機 )』と言ってみます。 これが通じた!!!(泣) 私達は、どうにか空港まで乗せて貰える事になりました。 ありがとうNHKテレビ中国語講座。こんな所で役に立ったよ。 そして、改めて。 中国では、中国語なんだな...としみじみ思いました。
「再び北京空港」
タクシーは高速に乗って、一気に北京空港へ。 来た時と同じ道。ちゃんとメーターも立ててるし安心です。 と思ったら、降りた所で表示金額に加えて高速料金を請求されました。 や、こっちが高速代払うのは当然ですよ? でもオッサン、高速入る時ちゃんとメーター加算してたろ!(笑) 行きの金額と比べても、タクシーに表示されてる料金計算で考えても、明らかに二重 課金です。 どうしようかと思いましたが、Airport も通じない運転手と論争する術もなく、結局 そのまま払ってしまいました。 大した金額ではないんですけど、こういう所が日本人、良くないのかなあ...。 中国人は、中国語が喋れないと見ると、高めの金額を要求する事があると聞きました。 が、私達はそういう事、少なかったように思います。 ていうか、この時くらい? 私達が気付いてないだけかも知れないけど。 ボられるというのは偏見なのか、そんなに私達が貧乏人に見えたのか。 あるいは馴染み過ぎていたのでしょうか...(死)。 北京空港も2回目。概ね問題なく手続きを済ませます。 手持ちの中国元も少ないし、日本円に両替するより土産で使い切った方がいいね、と 良さげなものを探します。 が、街で見たのと同じものが、何倍も高い。とりあえずスルー。 なんか中国っぽい歌が流れる偽ピカチュウ(?)とか、かなり心惹かれましたけど(笑)。 まあ上海で乗り換えもあるし。 ここは大人しく、機上の人となりました。 さよなら北京。 国が違えば常識も違う。当たり前の事だけど、初めて日本を出た私には驚く事ばかり でした。 一週間という滞在時間は、名残惜しさと日本恋しさが微妙に均衡している感じ。 楽しかった...というか衝撃的だったよイロイロ(笑)。
「上海空港」
さて、飛行機はいったん上海へ。乗り換えです。 あと1回のフライトで日本。北京はもう遠い空の彼方です。 乗り換えまで時間があったので、残りのお金でお菓子を買います。これで大体、中国 元はなくなりました。 やり残した事とか、もう無いよね? 上海の街も見てみたいけど、さすがに空港を出る事はできないし、またいつか機会が あれば訪れよう...と空港を後にします。 乗り換えの飛行機に向かう連絡バスで、前の人がなかなか進まないので、早く行って くれないかなあ〜、とか文句言ってたら、その人達、慌ててバスの中へ。 そっか、ここはもう中国の人ばっかりじゃないから日本語通じるんだ(汗)。 日本語で何言っても通じない街に一週間。文句だろうが何だろうが、さらりと口に出 してしまう癖がついていたようです。気をつけねば。 よく考えたら、これはもう日本行きの飛行機だもんなあ...。 そう思って周囲を観察すれば、半分以上は日本人だった気がします。 この街の、一体何処にこれだけ日本人が居たんだよ(笑)。 若い女の子から御年配の夫婦まで、客層はイロイロ。 みんな何の目的で中国に来たんだろ。 観光?仕事?? どんな中国を見てきたのかな。 中国って、日本人はあんまり観光に来ないみたいだけど、もっと多くの人に来て欲し いなと思いました。 あのバスツアーとか、より多くの日本人に体験して欲しいぞ(笑)。
「ただいま!」
こうして合計3時間のフライトの末、無事に関西国際空港へ! やー、旅の間のトラブルに比べると、何と平和でスムーズな帰途でしょうか(笑)。 帰ってきた日本! もうね、空気の匂いが違うんですよ。 自分の国の匂いなんて、ここを離れるまで考えた事なかったですよ。 当たり前だと思っていたものが、当たり前でないと分かる。海外旅行は、そんな所も 良いんじゃないかと思いました。 妹さんは、ここから国内線で新潟に帰ります。 実は飛行機が大嫌いらしい妹さん、かなりヘタってましたけど、無事に帰ってゆきま した。 ありがとね。一人だったら私、絶対生きてこの地を踏んでないと思う(笑)。 私は大阪府民なので、ここからラピートで帰宅。 全指定席ノンストップで楽々。そして回りは殆ど日本人! そう、こんなに日本語に囲まれるのも、今までの人生では当たり前の事でした。 それがね...なんか嬉しいんですよ(笑)。 日本円で缶コーヒー買って、日本語で切符を拝見とか言われて。 何もかもが新鮮。 この『日本語が嬉しくて仕方がない病』は帰国後しばらく続いて、周囲を不気味がら せました。 何しろ、悪口言われても頬が緩む状態でしたから。 #悪口言われてると分かる事が、既に嬉しいらしい。 こうして初めての海外旅行は幕を閉じました。 北京の話は、会社の人や友人、知り合いなどにいろいろ話しました。 が、殆どの人は「北京行ってみたい!」って言わないんですよね。 #行きたくないって人は多いんですけど(涙)。何故だ...。 この旅行記を読んだあなたが、どう思ったかは分かりません。 やはり行きたくないイメージを与えてしまったでしょうか(汗)。 が、もしも。 笑って楽しんで頂けた方。 北京に興味を持って頂けた方。 中国旅行の参考になった方。 その他いろいろ、これが何らかのお役に立ったのであれば、私は嬉しく思います。 さあ、次はあなたの番です(笑)。 行ってらっしゃい、北京はあなたを待っている!
おしまい。